小学生の部

佳作

私とあの子
八幡市立美濃山小学校 6年 岡本 萌々夏おかもと ももか

 ドッドッドッ。
 心臓の音が体中に鳴り響く。まるで、体の中でだれかがドンドンと太鼓をたたいているようだ。必死にドアのすきまから、ある人を探す。気になってしかたがない。私は今、炎のように熱く燃えている。
 今日は待ちに待った日。ピアサポートだ。ずっと前からワクワクしていた。机にはってある名前を、一つずつ目で追っていく。
(いた!)
 ペアの一年生だ。見つけたしゅん間、ふわふわっといとおしい空間が広がっていった。初めて見る一年生なんだもの。そりゃあドキドキが止まらない。私は、神様があの子とめぐり合わせてくれたことに感謝した。それプラス、私には最高なことがもう一つある。それは、好きな色があの子と同じだということ。今、
(えっ、それだけ)
 と思った人もいるのではないだろうか。でも、私はテンション爆上がり。そんなあの子をみていると、あの人のことが頭によぎる。私が一年生の時のペアだった六年生。絵本を読んでくれた。一緒にも遊んでくれた。今は私が一緒に遊んであげたり、絵本を読んであげたりしている。どうやら私はやってあげる側になったようだ。そんな時、とある本のページをパラパラとめくった。『ときめきのへや』。これには、「あたらしいときめきのへやをつくるためにまた、たからものをさがさなくては」とある。私は見つけたんだ。大切な人を。
 この出来事で気づけた大切な人。でも、もうすぐ大切な人とはなればなれになってしまう。その時までに、大切な人との思い出をたくさん心にしまっておきたい。また、たからものをさがしに行こう!

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