小学生の部

佳作

楽しいレシピでみんなを笑顔に
八幡市立美濃山小学校 6年 和田 萌々花わだ ももか

 「シャカシャカ」という音が、台所中にひびいている。私はこの音が大好きだ。この音はとてもリズミカルで思わずおどりたくなる。
 「シャカシャカ」という音は、泡立て器の音だ。そして私がときめく時は、おかし作りをしている時だ。「シャカシャカ」と音を立てている泡立て器はまるでおどっているよう。それも、とってもしあわせそうに。ボウルというステージでおどっている、泡立て器というダンサーを見ていると、私もおどり出したくなってきて、思わずほほがゆるむ。おどるように生地を混ぜていると、ずっと混ぜていたつかれもダンスパワーでぶっとんでしまう。
 そんな楽しいおかし作りでも、すごくきんちょうする時がある。それは、オーブンを開ける時だ。空気がじりじりしている。「ちゃんと焼けているかな?」「こげてたりしないかな?」私はそのことで頭がいっぱいになる。かくごを決めて、ふるえる手で思いっきり開ける。白い湯気がもわっと出てくる。取り出してみると、「やった!!」とさけぶ。成功だ。このしゅん間は本当にうれしい。みんなに、私が作ったおかしを食べてもらえる。私は人を喜こばせるのが大好きだ。笑顔を見ると、また作ろうと思えるのだ。
 おかし作りが好きになったきっかけは、母が買ってきた一さつのレシピ本だ。今では私のお気に入り。何度もながめていて、ページは全てめくりやすくなっている。「これ作りたいな~」などと思っている内に、どんどんふせんが増えていく。パラパラとページをめくっていると、時間も忘れておかしの世界に入りこんでしまう。母が「早く何作るか決めてほしいな」と思っていることも知らずに。
 今日もまた私はおかしを作る。楽しく作ったおかしを家族みんなで食べると、しあわせになる。そして、会話や笑顔が増える。そんな笑顔がもっともーっと広がるといいな。

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