小学生の部

優秀賞

考える
美馬市立江原南小学校 6年 坂本 孝仁さかもと たかひと

 能登のとに行ってみた、夏休み。正月から八か月も経っているのに、テレビでみていたままの、最悪な状態が今も続いていた。その様子は夏休みにはニュースにもならない。仮設住宅が、本当なら夏祭りの会場になるはずのところにたっていた。道の駅の駐車場には仮設のお風呂があった。観光地なのにお客さんは誰もいない。お店は数軒開いていたけれども、立ち寄る人がいない。
 工事の人が一生けんめいガレキをとりのぞいているけれども、沢山いるようには思えなかった。だから、輪島わじまの朝市があったところは火事で焼けたまま。しっきのビルも根っこからたおれたまま。和倉温泉はヒビだらけの宿がならぶ。復興なんかいつできるのだろう。
 実際にそこに行って、悲しい、苦しい、を自分の目でみて、何もできない、とやりきれなくなって、それでも、そこで、できることは何かあるのかと考える。スタートしても何かをすぐに変えることはできない。今のぼくにはガレキをどける力もない。お金があるというのでもない。頭がよく、アイディアを沢山だして、被災した人の心をなぐさめることもできない。昔のように沢山の観光客が来るようにもできない。
 力がなさすぎる。それでも自由研究で能登の今を伝えることができる。友達に話すこともできる。そして、少しずつでも、頭のなかをきたえることもできる。今はまだ小学生だけれども、将来はお医者さんになって、沢山の人を助けたいと思っている。病気やけがだけではなくて、心がつらくなっている人も助けたい。その気持ちが能登をみてさらに強くなってきた。
 今は田舎の小学生だけれども、困った人を助けていきたい。努力しないとならない。だから、やることを決めて毎日している。サボらないで、ぼくが命をすくえるようになるために。そうして、成長して沢山の人を救っていけるようになるぼくに、とっても期待している。その気持ちをなくさないように、毎日ぼくはぼくをはげます。

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