小学生の部

優秀賞

母の背中と私の一歩
八幡市立橋本小学校 6年 松田まつだ 好花このは

 カレーやシチュー、肉じゃがに唐揚げなど、私の家では母が毎日、今日のご飯は何にしようかと考え、心を込めて料理を作ってくれています。どれも美味おいしくて、私は母の手料理が大好きです。どんなに疲れていても、毎日欠かさず台所に立ち、私や家族のために食事を用意してくれる母の姿は、今ではすっかり当たり前の光景になっています。
 でも最近、その「当たり前」に対して、少しだけ疑問を持つようになりました。ただ食べて「美味しい」と言うだけで、それで本当にいいのかなと、ふと考えるようになったのです。
 学校から帰ってくると、母はもう買い物や洗濯など、たくさんの家事を終わらせていて、夕食の下ごしらえまで済ませています。食事が終わったあとも、私がソファでテレビを見たり、机に向かって宿題をしている間に、母は静かに台所で後片付けをしています。
 以前の私は、それが「普通のこと」だと思っていました。でもある日、「普通」だと思っていたことが、実は誰かの努力や思いやりの上に成り立っているのだと気づいたのです。本当は毎日「ありがとう」と伝えるべきことだったのだと、ようやく分かりました。
 そこで私は、ひとつ決意をしました。私にもできることを、毎日少しずつやってみようと。まずは、お皿洗いを毎日の習慣にしようと心に決めました。
 最初は水の出し方が強すぎたり、油でぬるぬるになったフライパンの洗い方が分からなかったりして、後片づけに時間がかかってしまいました。でも、慣れてくると、スムーズにできるようになってきました。
 母は「本当に助かるよ。ありがとう」と言ってくれています。その言葉を聞くと、とてもうれしい気持ちになりますが、私はこの言葉をもらうためにやっているのではありません。作ってもらっている立場として、自然なこととして、この手伝いを続けたいと思っています。

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